2017-01-01から1年間の記事一覧
何度かふれているように、この連載は趣味で絵を描くことを楽しみたい人から、「いい絵が描けるようになるにはどうすればよいか?」と質問されて、私が答えるだろうことをまとめたものだ。私は長年にわたって絵画教室で教えているので、その経験を踏まえた考…
絵を習い始めようとしたときに、水彩画を選ぶ人が多いように思う。油絵か水彩画のどちらにしようかと迷う場合は、水彩画の方が易しくて親しみやすいイメージがあるのかもしれない。実際に水彩画は絵具の扱いが簡単だし、描き方も油絵に比べると易しいといえ…
今回は、いい絵を描くのに才能は必要なのか、そのことについてごく簡単にすこしだけ述べてみたい。 本来は、「絵を描くための才能とは何か」ということから考えないといけないのだろうが、そうなるとテーマが難しくなり過ぎてちょっと手に負えないので、今は…
絵が上手くなるためには制作するペースが大切で、週に1回程度は教室に通って描くことを続けると制作のリズムができてよいと思う。それ以下のスローペースになってしまうと、たいていの場合、「描くことの楽しみ」は味わえても「上達する喜び」を実感するの…
この連載は、絵を描くことを趣味にしている人から「どうしたら絵を描くのが上手くなるのですか」と問われたなら、私が答えるだろうと思うことをまとめたものだ。週に1回程度、絵画教室に通っている人をイメージして、そういう人に話しているつもりで書いて…
絵が上手くなりたいと思ったら、ただ一生懸命にたくさん描けばよいというものではないだろう。描けば描くほど技術は向上するだろうが、肝心の絵心が成長するかどうかは分からないからだ。 ボナールの1934年1月22日の覚え書きに、「いけないのは自然の…
趣味で絵を描いていく人は、専門家(プロの画家)をめざす人なら一応は習得しようとする技術としての写実表現をちゃんとこなせる必要はないし、それでもいい絵を描けるようになる。 それには、自分の絵の長所を発展させていけるような方向を見つけることが大…
上に掲載したのは前回と同様、アルフレッド・ウォリスの作品。 帆船の帆が海と同じ色なので分かりにくいし、右下の灯台と右上の家が同じ大きさで描かれていて、近景と遠景の区別もない。けれども、とても惹きつけられる絵だなあと感心してしまう。 70歳に…
前回述べたように、プロの画家を志している人と趣味で絵を描いていこうと思っている人とでは、基礎として習得すべきことが少々異なるので、両者を区別して考える方がよいだろう。 そうではあるけれども、プロの画家が描いた絵が、趣味で描いている人のものよ…
この連載は、趣味で楽しく絵を描きたい人に向けて、どのようなことに気を付けて練習していくと速く上達できるのかを、私が日頃考えていることからアドバイスしようとしたもので、プロの画家を志している人に話しているのではない。では、そういう区別には、…
長らく休載していたが、桜も満開になってきてやっと冬眠から覚めたので、また続きを書きたいと思う。 前回、進むべき自分なりの絵の方向性を見つけるには、自分の絵の長所を知ることが大切だと書いた。でも、その長所がわからなかっかたらどうすればよいのか…