コラムトエ

兵庫県西宮市にある久我美術研究所から発信する美術に関する「コラムと絵」を載せていきます。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

絵を描くのが上手くなる方法、その63

この連載は、趣味で絵を描いている人、殊に私の教室の生徒を念頭において役に立つ話になればと思って続けている。今回は前回の続きで、描く対象を選ぶときにどのような考慮が必要か、つまりはモチーフの選び方についてのまとめを書いてみたい。 趣味で絵を描…

絵を描くのが上手くなる方法、その62

前回の続きの話をしよう。私の教室では、生徒が描くモチーフは私が用意している。切花や植物の鉢植え、果物や野菜類などで、たいていの人が見て「きれいだな、魅力があるな、描いてみたいな」と感じるようなものを選んでいる。樹根のように一部の人しか興味…

絵を描くのが上手くなる方法、その61

前回の続き。たとえ話をしよう。山道を歩いていたら大木の樹根に目がとまり、大変興味を惹かれて絵に描いてみようと思った。そこで写真を撮りスケッチをして自宅に戻ってから、それらをもとにして水彩画または油絵を描き始めたとする。これで難なく描き進ん…

絵を描くのが上手くなる方法、その60

前回の続き。教室の生徒から、「絵を描くときには何か考えを決めて描いた方がよいですか」と聞かれることがある。花を見て、きれいだなあと感じて夢中で絵を描くだけでよいのか、それとも、あらかじめ何か考えをもってそれに沿って描いていく方がよいのかと…

絵を描くのが上手くなる方法、その59

前回の続き、モチーフについて書こう。どのような対象を描こうかと考えるとき、「描きたいものを描きたいように描けばよい」とあっさり割り切ってしまうのも悪くはないだろう。それならば、上に掲載した高橋由一の「豆腐」(1877年)を見て、彼は油揚げ…