コラムトエ

兵庫県西宮市にある久我美術研究所から発信する美術に関する「コラムと絵」を載せていきます。

2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ゴッホの手紙、3

1886年の3月に弟のテオを頼ってパリに出てきたゴッホは、最初はテオのアパートに、その後はルピック街に住む。6月から3ヶ月間、コルモンのアトリエで学ぶ。印象派の影響を受けるようになり、点描法も試みる。1888年2月に、ロートレックの勧めに…

ゴッホの手紙、2

前回述べたような理由で、ゴッホの手紙を読み進めることを続けてみたい。テキストとしては、岩波文庫の「ゴッホの手紙(上・中・下)」を使う。訳者の硲伊之助(はざまいのすけ)は画家、初版は1955年。上巻は友人のベルナール宛のもの、中・下巻は弟の…

ゴッホの手紙、1

画家の人生を知らなくても、その画家の作品を鑑賞するのになんら支障はない訳で、画家がどのような人物であろうと、例えばカラヴァッジオのような殺人者であろうと作品がすべてである。画家の人となりを知ったがために、かえって作品を色眼鏡で見てしまう危…

辰野登恵子

画家たち、7BBプラザ美術館で、T氏コレクション展という小規模な展覧会が6〜8月に開催されていて、それの前期展を見たのだが、辰野登恵子の作品に接して結構感動した。辰野氏の作品は、私が学生の頃(かれこれ30年ほど前)から美術手帖などで紹介さ…