コラムトエ

兵庫県西宮市にある久我美術研究所から発信する美術に関する「コラムと絵」を載せていきます。

2018-01-01から1年間の記事一覧

絵を描くのが上手くなる方法、その28

自分自身の感覚を何よりも信じて感じたままを絵にしていくことを続けると、その人らしい個性が表れた独自の画風の作品が創れるようになると私は考えている。 独自の画風の絵といっても、ピカソやブラックが創造したキュビスムのような思想を表した新奇なスタ…

絵を描くのが上手くなる方法、その27

美術史家の池上忠治氏は、「最も重要で最もすぐれた現代画家三人をあげよと言われれば、何のためらいもなく私はフランス人マティス、スペイン人ピカソそしてロシア人カンディンスキーと答えるだろう」と書いている。 これら三人の画家は、それまでの西洋絵画…

絵を描くのが上手くなる方法、その26

この連載では、絵を趣味で描いている人、殊に私が主宰している絵画教室の生徒の皆さんを念頭において、「どうしたらいい絵を描けるようになりますか、上達できますか」と質問された場合に私が説明したいことを書いてきた。ということは、週に1回程度は絵画…

絵を描くのが上手くなる方法、その25

前々回、画集を見ることの大切さを書いたところ、教室の生徒から「どのような画家の画集を見るとよいですか?」と質問を受けた。それで私は、「手始めに、一番好きな画家の画集をご覧になってはいかがでしょう」と答えたのだけれども、普通の書店や図書館に…

絵を描くのが上手くなる方法、その24

前回の続きを書く。 伸び悩みを感じ出したときに、いろんな画家の画集をよく見て絵の仕組みを研究すると、今後の制作に新たな展開をもたらすヒントが得られることがよくある。そして、画集を見ていてとても好きな絵だと感じた作品をさらに深く理解したいと思…

絵を描くのが上手くなる方法、その23

前回の続きを書こう。 趣味で油絵や水彩画を5,6年も描き続けていると、作品がマンネリになってきて伸び悩みを感じてくることがある。そういうときにどうすればよいかを具体的に提案してみたい。 しかし、まず初めに言いたいことがあって、それは、なかな…

絵を描くのが上手くなる方法、その22

前々回でふれたように、趣味で絵を描いている人が上達するための秘訣は、何といっても描くことに興味を持ち続けることだろう。しかしながら、油絵や水彩画を5、6年以上も描いているとだんだんと作品がマンネリになってきて、伸び悩みを感じるようになって…

絵を描くのが上手くなる方法、その21

絵を描くというのは、作業的な意味でいうと、結局のところ、画面をある色彩をもった形で覆うことに他ならない。平筆で赤色をちょんと置いたら、そこに赤くて四角い形が現れる。このような行為の繰り返しで画面が出来上がってくる。 色彩と形を対象物(リンゴ…

絵を描くのが上手くなる方法、その20

趣味で絵を描いている人が上手くなるための秘訣は、もちろん長く続けることに違いない。 そして、言うまでもなく、絵を描くことが楽しくなかったら長く続けられない。 ルノワールのよく知られたエピソードに次のようなものがある。 ルノワールは若い頃、グレ…

絵を描くのが上手くなる方法、その19

趣味で絵を描いている人にとって、「継続して同じペースで描いていくこと」はなかなか難しいことだと思う。 勤めている人は、仕事が忙しくなって絵など描いている余裕がなくなることがあるだろう。 主婦の人は、家庭の事情で時間が取れなくなってしまうこと…