コラムトエ

兵庫県西宮市にある久我美術研究所から発信する美術に関する「コラムと絵」を載せていきます。

2024-01-01から1年間の記事一覧

絵を描くのが上手くなる方法、その134

印象派のような絵を描く話を続けている。印象派の絵が特に好きで、そのような絵を描きたいと思うなら、油絵や水彩画を習い始めた初歩の人でも印象派風に描く練習をすればよいと思う。先に「ふつうの絵」を描く練習をしてからと考えて、二の足を踏むことはな…

絵を描くのが上手くなる方法、その133

空を遠近感が出るように描くには、画面上方(近景)の空は青さを濃くして、下方(遠景)の空は淡くする。また、上方にある雲は明瞭に、下方にいくほどはっきりしないように描くとよい。前回掲載したモネの絵はそうなっていた。しかし空の表情は多様だから、…

絵を描くのが上手くなる方法、その132

あらかじめ念押しすると、印象派風に絵を描きたいならどうしたら上手くいくかの話を続けている。前回、モネがツボをおさえつつ適当に筆を運んでいる具体例として、空と川面を描くときのタッチの使い分けについて指摘した。それでは上に掲載した絵ではどうだ…

絵を描くのが上手くなる方法、その131

「適当のススメ」と題名をつけたいくらいの話を今回も続けたい。適当に描くことは、とても大切であるという話を前回にした。それを具体例を見ながらよりはっきりさせたいと思う。上に掲載したのは、モネの1880年作の「ヴェトゥイユ近郊のフルール島」。…

絵を描くのが上手くなる方法、その130

前回の続きで、適当に描くことについての話をしたい。 上に掲載したのはモネの作品で、「シエヌ川のグランド・ジャッテ島」(1878年)である。画面の大部分が前景の木々の幹・枝・葉で覆われている。そのために題名になっているグランド・ジャッテ島は建…