コラムトエ

兵庫県西宮市にある久我美術研究所から発信する美術に関する「コラムと絵」を載せていきます。

絵を描くのが上手くなる方法、その72

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前回は、印象派の画法で人物画の秀作を数多く残している画家、メアリー・カサットを紹介した。写実を基本にした人物画を描きたいと考えている人に、他にも参考になりそうな画家を挙げてみよう。展覧会で作品を目にする機会が多くて、その時代を代表するよく知られた画家は特には触れない。例えば、コロー、マネ、ドガルノワールロートレック等だが、これらのメジャーな画家なら、好きな画家を探そうとするときに真っ先に思い浮かべるだろうから。もう少しマイナーだが注目に値する画家を挙げてみる。

まず、メアリー・カサットの友人でもあったベルト・モリゾ(1841-1895年)の作品を見て欲しい。かっちりした人物画があるかと思えば、画面上かなりの部分が曖昧なままの描法の作品もあり、作者の自由な精神が感じられて興味深い。下記で多くの作品が見られる・・・

https://www.youtube.com/watch?v=hK6O2qDhU3U

次にベルト・モリゾと同時代の画家だが、まったくスタイルが異なるイタリアの画家、ジョバンニ・ボルディーニ(1842-1931年)を挙げよう。個性的な速筆の技巧で、当時の流行の肖像画家だった。アクの強い絵なので、好き嫌いが分かれそうだ。作品は下記で・・・

https://www.youtube.com/watch?v=AJ6KBJZw43Y

同時代では、ロシアの写実主義の画家、イリヤ・レーピン(1844-1930年)も忘れられない。作品は下記で・・・

https://www.youtube.com/watch?v=JHBe6MWXjWw

アメリカの画家、ウィリアム・メリット・チェイス(1849-1916年)も書いておく。作品は下記で・・・

https://www.youtube.com/watch?v=6Qz7PfAiyfU

最後に、時代は少し下るが、スペインの魅力的な画家ホアキン・ソローリャ(1863-1923年)を採り上げよう。上に掲載したような絵もあるが、特徴的なのは強烈な陽光の下での人物群像を描いた作品で、眩い光を見事に表現していて素晴らしい。その作品は下記で・・・

https://www.youtube.com/watch?v=IBZo_g4Ht_M

次回は、好きな画家を見つけるための参考として、風景画家を紹介していきたい。