コラムトエ

兵庫県西宮市にある久我美術研究所から発信する美術に関する「コラムと絵」を載せていきます。

絵を描くのが上手くなる方法、その2


「どうすれば、絵を描くのが上達しますか?」と生徒の皆さんに聞かれたときの最良の答えは何だろうと考えつつ、前回の続きを書こうと思う。
ただし、これは絵を趣味で描いている人に向けて話しているのであって、専門家(画家)になろうとしている人に話しているわけではない。
そういう志のある人は、自分自身で考えていくしかないと思う。

それでは、そもそも絵が上手くなるとはどういうことなのか?という問いから考えてみるが、そうすると、次の2点を満たす状態になることが、絵が上手くなったと思ってよい目安になるのではないだろうか。


1、自分で結構いい絵だと思える作品が、ちょくちょく描けるようになってきた。

2、他人が作品を見て、いい絵だと度々言ってくれるようになってきた。

自分のこの絵は傑作だと思うだけでは、単に自己満足しているだけだが、もちろん、楽しみの趣味で描いているのだからそれで構わないのだけれど、よほどの楽天家でない限りやはり他人の思惑が気になるから、他人が褒めてくれる作品を描けるようになるのが、上達を最も実感できることだろう。

それに、いろんな人が褒めてくれる作品が描けるようになったということは、客観的な評価を得ていることになるから、上手くなったことの証拠としては結構確かだといえる。だから、家族や友人にどんどん作品を見せて感想を言ってもらおう、恥ずかしがらずに・・・。

さて、これら2点を満たす状態になることが、絵が上手くなることとイコールだとなぜ言えるのか?と思われるかもしれないが、それに答えるには、さらに深く掘り下げて絵画の本質のことをあれこれ考え述べたうえで、結論に導かなければならないわけで、それはちょっとしんどい。今はそのあたりは端折ってしまって次に進もうと思う。
だから次回からは、そういう自分でもいいと感じ、他人もいい絵だと評価してくれるような絵を描けるようになるためには、何を考え、どのような目標をもって、どういう練習をしていくのがよいかを述べてみたい。